
はんぶんカメラ |
名機か?キワモノか?ハーフサイズ一眼レフ
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オリンパス ペンF/FT (OLYMPUS PEN F/PEN FT) |
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PEN Fシリーズについて
ハーフ判について
使ってみる
FとFTの違いFTは、Fの後継機種で、いくつか改良・変更されている部分があるが、実用上関係するところとしては、TTL露出計とセルフタイマーの追加、フィルム巻き上げを2回から1回に短縮、レフミラーの大型化、シンクロにM接点を追加、スクリーン中央にマイクロプリズムを追加、というところ。 シャッタリリースのフィールも幾分軽くなり、ミラー(シャッタ?)ショックも少し軽減されているようだ。シャッタ音は、明らかに異なる。 細かいところでは、三脚穴位置の変更(露出計内蔵に伴い、従来の三脚穴のスペースを電池室にしたため)、フィルム巻きが逆巻きから順巻きに変更、など。フィルムが順巻きになったのに伴い、裏蓋にフィルム押さえのローラが追加されている。 使い勝手に影響するのは、ファインダー光学系周りと巻き上げ方式だろうか。
ファインダーペンFで露出計は外付けオプションだったが、FTではTTL露出計を内蔵するようになった。のは、いいのだが、ファインダー光路(プリズム×2、2群3枚のルーペ、ミラーで構成されている)に一枚入っているミラーを半透過ミラーにし、計測用の光(約10%)を取っているため、スクリーン像が暗く、黄色味を帯びて見える。 要は、スクリーン画像の明るさが、ペンFTの場合、Fに比べて10%減じられるということで、この10%はかなり大きい。 例えば、キヤノン旧F-1は、似たような原理でスクリーン上のコンデンサーレンズにハーフミラーを割り込ませて測光素子に測定光を導いているが、ハーフミラーのかかる中央部は、ミラーのかかっていない部分と比べると、かなり暗くなっている。 ファインダーの見えを重視する向きには、Fのほうがよりクリアなので、おすすめである。全面マットなので、画面もすっきりしている。あるいは、FTでメーターが死んでいる場合に、ミラーをフルミラーに変更してしまうのもいいかもしれない。 ファインダーの光学系じたいは、実にまとも、というか、0.8倍と倍率も高く、素晴らしい。 自分が、一番好きな一眼レフとして賛辞を惜しまないトプコンREスーパーは、実はファインダー光学系の設計の詰めが甘かったのか、見えはあまりよくない。ということで、よくないファインダー像を見慣れているせいか、たいへんフォーカシングしやすく感じてしまう。 もっとも、最新の一眼レフのファインダーに比べれば、相対的に暗い。反射面が多く、光量をロスしているせいもある。スクリーンは、明るさは足りないにしても、ピントの山がつかみやすく、ボケの再現もいい。よく観察すると、輝度差の大きい背景の2線ボケを確認できるほどである。 FTになって、中心部にマイクロプリズムが追加されたが、明るくないレンズで翳りが出るのを避けるためか頂角がゆるく、100mm F3.5レンズを装着しても一応使えるようだ。逆にいえば、それほど精度は高くない。
露出計まわりペンFTのTTL露出計は、前述したように、ファインダー光路から光を抜いて測定するもので、ちょうどシャッタボタンの下の部分にメーター本体がある。CdS素子を使ったこのメーターは、オーソドクスな部類だと思うが、二つ問題を抱えている。 一つは、CdS受光素子の限界で、低照度の測定が苦手なこと。これは時代を考えれば仕方ない点かもしれない。 二つめは、レンズの情報をメーターが受け取れるような機構になっていないことである。例えば、装着しているレンズの開放F値、設定F値、光学的特性(例えば、周辺光量の過不足、レンズ構成枚数による透過光量の増減など)等の情報は、メーター指針と連結していない。 従って、ファインダー内の露出計の針が指す「TTLナンバー」を一度読み取り、レンズ絞り調節リング兼用のリングを回してTTLナンバーを合わせるか、あるいはあらかじめ設定したTTLナンバーに指針が合致するようにシャッタダイヤルを調整する必要がある。 トプコンREスーパーのように、とにかく指針を定点に合致させればよいゼロメソッド式のメーターであればいいのだが、既に販売されているペンF用の規格という足かせがある以上、妥協せざるを得なかった部分だろう。機械的には、レンズじたいに識別ピンを一つ追加すれば解決する。 ということで、使い勝手がよいとはいえないが、手元にある機体に関していえば、その後発売されたOM-1と同等の精度はある露出計ではある。この露出計のために、ペンFT発売以降の交換レンズには、絞り調節環の、絞り値表示部分の反対側には「TTLナンバー」が刻印され、リングをスライドさせることで二役を果たすようになっている。 自分の場合、露出は単体露出計か、「勘」で決めるので、あまりメーターは使わない。ということもあり、ペンFの明るいファインダーのほうが使いやすい。今となっては、メーターが故障している機体が多いから、レンズに新規で識別子をつけてペンFとの互換性を損なわなかったのは良かったといえるが、ペンFT発売当時はどのような評価だったのだろうか。 測光部はファインダー接眼部に近いが、ブラインドシェード℃ョのグリッドが接眼部からの逆入光を遮って、レンズからの光だけを測定できるように工夫されているようだ。
レンズ
![]() ペンFシリーズは、企画当初からシステムカメラとして構想されており、交換レンズは豊富である。 ハーフ判のカメラは、画像のアパーチュアが通常の35mm判の半分なので、一見小型化が可能であるような錯覚を受けるが、実際のところ、使用するフィルムじたいは共通なので、それほど小型化が図れるというものでもない。35mmフルサイズでもレンズシャッターのペンシリーズより小さいカメラはいくらでもある。 ただし、レンズやフランジバック(要はカメラの厚み)を小さくできるのは、ハーフ判の特長だろう。 手元にあるのは、40mmF1.4と、100mmF3.5の2本だが、自動絞りが組み込まれているのにも関わらずコンパクトなレンズである。
![]() ...などと書いていたら、いつのまにか25mmF4が手元に来てしまった。趣味に友達など必ずしも不要、などとうそぶいているが、やはり持つべきは友、なんだろうか(笑)。安く売りに出ている店を教えてもらった。 (しかし、冷静な価値判断をすれば、F4と暗いレンズ、それも昔のレトロフォーカス型に2万円というのは、いかに新品同様といっても絶対的に高価だろう。古い機械が好きな人以外には理解できない世界かもしれない) 一応これで、広角・標準・望遠のミニマムセットが完成である。昔のライツの交換レンズのように全部ポケットに収まるのは楽しい。 作例については、ヴィンテージレンズ 作例の旅≠フページ、写真箱をどうぞ。
光学系と鏡筒内の設計についてペンF/FT全般に言えることなのだが、機械をぎりぎりに配置した設計のため、ミラーボックスに余裕がない。このため、レンズの古いコーティングと相俟って、迷光にはかなり弱い。特に、100mmなど望遠を使うとき、注意しなければ迷光によるカブリで画のコントラストが低下してしまう。 40mmを使う分には、それほど逆光に弱いという感じはないのだが、100mm、25mmを野外で使う時には注意が必要である。いずれのレンズも、ハーフ判の狭いフィルムサイズの枠ぎりぎりで高画質となるように設計されており、一般的な35mmフルサイズ用レンズに比べると、実にシャープな画像を作るのだが、鏡筒の設計において迷光対策が徹底していないため、せっかくの画質が損なわれやすい。 100mmレンズの鏡筒内を覗くと分かるが、内面反射防止を狙ったと思われる切り溝はギラギラ光るし、筒内後部はなんの反射対策も施されていない。 アパーチュア以外の部分を覆うように角型フードを自作するか、筒内に植毛紙を貼り込む工夫がいる。 と、いうような作業は、別に大して手間のかかることではなく、むしろ趣味の写真という観点から見れば、古い車をチューニングする行為に似て、手をかけただけ成果が得られるという楽しみにもつながる。 そういう今日的な意味では、どうということはないのだが、これらのレンズの現役時代には、大きな問題だったはずで、開発しているレンズは自らテストしてみたという米谷さんの文章を読むにつけ疑問が残る点ではある。 ちなみに、カメラ本体内部(ミラーボックス内)は、平滑面に艶消し塗装になっており、これも改善の余地があったのではないだろうか?可動部分に注意しながら植毛紙を貼りこめばそれなりの効果が得られるはずである。
漏光60〜80年代の、「ちょっと古い」写真機は、裏蓋と本体の接合面や、ファインダースクリーンとミラーの隙間の遮光にモルトプレンと称するスポンジ状の樹脂を貼り込んでいることが多い。 中古カメラの愛好家にはおなじみなのだが、このモルトプレンゴムのスポンジは、10年も経つと劣化してベトベトの物体に変化してしまう。 このベトベトがスクリーンやミラーに付着して悪さをしたりと性質の悪い素材なのだが、かなり長い期間使われたもので、国産の写真機にはほとんど使用されていたはずである。 さて、個人的な話だが、自分は中古カメラを入手すると、新しい遮光素材に張り替えてある場合は別として、この劣化したモルトをきれいに取り除いてしまう。実際問題として、まともに設計してある写真機ならモルトなしでもそうそう漏光しないもので、トプコンREスーパーなどはモルトなしで使用している。 ペンFシリーズではどうか、というと、実は一箇所漏れるところがあり、それは裏蓋のヒンジ部分なのである。というわけで、市販されているモルトプレン(裏地が粘着面になっており簡単に貼り付けられる)を適宜切り分けて補修する必要がある。 ちなみに、ペンFは、この頃のオリンパスのカメラのなかではまだましなほうで、ペンDなどは遮光材なしでは盛大に光漏れするカメラだったりする。
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